取適法の施行に向け、労務費転嫁指針の活用状況を調査

 

 公正取引委員会が労務費転嫁指針(2023年11月)のフォローアップ調査の結果を公表しました。

 2024年度調査の結果、コストに占める労務費の割合が高いこと又は労務費の上昇分の価格転嫁が進んでいないことが判明した「労務費重点21業種」を含む43業種の事業者11万名に対し、労務費転嫁交渉指針に沿って行動しているか、コスト上昇分の価格転嫁が適切に行われているかなどについて、受注者・発注者の双方の立場での回答を求める調査票を2025年6月に送付して行われました。

明らかとなった課題

  • 要請受諾率は、サプライチェーンの段階を遡るほど低くなり、価格転嫁が十分に進んでいない。
  • サービス業のサプライチェーンにおいて、サービス提供業者(元請)や各段階の受注者がその先の取引先受注者からの価格転嫁を受け入れるための原資となるサービス提供業者(元請)から需要者(事業者)への価格転嫁が十分に進んでいない状況がうかがわれる。
  • 労務費転嫁指針の認知度はいまだ約60%にとどまっているところ、同指針を知らなかった事業者において労務費の価格転嫁が低調である。
  • 通常調査の回答者数に占める注意喚起文書送付件数の割合が低下しているものの、依然として協議を経ずに取引価格を据え置いている発注者が存在する。

 

独占禁止法上の問題につながるおそれのある事例(理由の例示)

  • 受注者からの見積りには、協議するまでもなく、当然にコスト上昇分が含まれていると思っていることから、値上げの相談がなければ協議を行わないこととしていた。
  • 受注者から協議を申し入れてくれれば、協議を行うつもりであったが、受注者が協議を申入れてこなかった。
  • 自身が発注者である取引において価格転嫁をするという意識を持っていなかった。
  • 取引価格の引上げを受け入れる原資が無い。

 

今後の取り組み(抜粋)

  • 労務費重点21業種や、多重委託構造が存在し、かつ、価格転嫁が円滑に進んでいないことがうかがわれる業種について、積極的に端緒情報を収集するとともに違反被疑事件の審査等を行い、独占禁止法や取適法上問題となる事案については、事業者名の公表を伴う命令、警告、勧告等の厳正な法執行を行う。
  • 取適法の令和8年1月1日施行に向けて、全国47都道府県における事業者向け説明会の開催、関係省庁と連携した業種別説明会の開催、中小事業者団体向けの広報・広聴企画の開催、動画やテキストを含む各種媒体での解説等を行ってきたところ、今後とも広く周知に努めていく。

 

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