交通運輸産業は、経済・社会活動を支えるインフラとしての社会的使命をもつ一方で、過当な企業間競争などの影響で他産業に比べ労働諸条件が低下していることから、「人への投資」「価格転嫁」「公正取引」の徹底を求め、昨年を上回る賃上げによって「実質的な年収の確保」をめざしてきました。
また、過労死防止のための働き方改革として4月1日に施行された自動車運転者の時間外労働の上限規制・改善基準告示の遵守は必達事項であり、持続可能な交通運輸産業の確立に向けたスタートラインであるとの認識の下、「総労働時間が減っても年間総賃金が減らない」賃金体系の構築や、運賃値上げ・改定による賃金原資の確保、休息期間の協定化や休日増に取り組んでいます。
成立した物流関連法の実効性確保など産業特性に応じた価格転嫁対策を引き続き求めていくとともに、ライドシェア新法の制定阻止をはじめ、適正取引の推進、地域における公共交通の維持、燃油の安定確保、環境対策など山積する政策課題の解決に向けて、「交通運輸政策研究会」(労連議員懇談会)との連携を引き続き強化してまいります。
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『物価上昇』、『最低賃金の引き上げ』、そして『人への投資』の観点から
『社会情勢を考慮した賃金水準の回復』を基本とし、『失われた3年間』を取り戻すため「安心して暮らせる生活のための実質的な年収の確保」をめざしていく――との労連方針案を踏まえ、中央委員会に提案する各部会の要求基準は以下のとおりです
<賃金>
○トラック部会
現行所定内賃金6.5%以上
(定昇相当分【賃金カーブ維持分】1.5%【3,648円】、賃上げ分【格差是正及び物価上昇分】5.0%以上【12,160円】、合計平均15,800円)
但し、単組、企業及び地域の実態を踏まえた要求を可能とする
○軌道・バス部会
定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)+α(社会情勢を考慮した水準)を要求
α=⑴ 物価上昇分=2023消費者物価2.5%予測
⑵ 地域最賃=全国平均で43円引き上げ、平均1,004円
⑶ 人への投資=働く者のモチベーションの向上、労働力確保2.45%(5,400円)+α4.0%(8,800円)※各組合の実態に即した要求
○ハイヤー・タクシー部会
月例給に重きを置き5.00%程度の賃上げをめざす
① 定昇相当分(賃金カーブ維持分)として年収の0.33%
② 実質生活向上分・物価上昇分・格差是正分として年収の3.00%
○自動車学校・一般業種部会
賃金カーブ維持分(定期昇給見合い分)4,500円とベースアップ分(過年度物価上昇分3%程度)を踏まえた12,000円
<臨時給>
○トラック部会
1人平均110万円中心
○軌道・バス部会
「年間臨時給として前年実績+αの確保」を要求する。具体的には目標を5.0ヵ月、最低でも3.50ヵ月以上(前年実績3.39ヵ月)とする
また、金額で要求する場合は、前年実績以上を要求する
○ハイヤー・タクシー部会
臨時給制度がある場合、前年実績(年間)+年収の1.67%
制度が無い場合は①定昇相当分+②実質生活向上分・物価上昇分・格差是正分を併せて5.00%
○自動車学校・一般業種部会
6ヵ月(最低4ヵ月以上を獲得目標とし、前年実績がこれを上回る組合の獲得目標は前年実績以上とする)
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残業をさせるためには「36(サブロク)協定」の締結が必要です。
自動車運転者も含めて、この協定を結ばずに残業させることは法律違反です。
36(サブロク)の日をきっかけに、職場の「36協定」を確認し、
改めて労働時間について考え直してみませんか?(一般公開ページ)