大切な団体交渉

まずはお互いに理解し合うことが大切です。

 団体交渉は争う場ではなく、労使が「信頼を基本とする健全な労使関係を築く場」であり、「現場の実態や問題を会社に伝え、改善を議論する場」です。

 初めての団体交渉では、まず「労使で信頼関係を構築」することを目的に、自己紹介と組合結成に至った経緯などを説明しましょう。

初めての団体交渉では、会社側の参加者も緊張したり、必要以上に警戒しがちです。しかし、今後の会社と組合の関係を左右する大切な交渉ですので、組合としては紳士的に相手に敬意をはらいながら交渉に臨むことが大切です。必要に応じて上部団体に助言を求め、場合によっては団体交渉に同席してもらいましょう。

要求するだけでなく、歩みよりも大切です。

 団体交渉では、すべての要求が通るわけではありませんし、特に組合が結成されたばかりだと、会社と組合との信頼関係が出来ていないので、前向きに話をしてくれません。
 しかし、焦らずじっくり粘り強く交渉していくことで、妥結に繋がっていきます。また、自分達の要求をそのまま通すだけでなく、場合によっては会社の状況を理解し、歩みよることも大切です。

合意したことは労協協約化すること

 労働組合の大きな力として「労働協約の締結」があります。団体交渉の場で会社と合意した内容について、「労働協約」として文書化し、労使で署名・捺印します。
 労働協約で定められた内容については、就業規則や労働契約よりも優先されます。組合としても労働協約を締結することは成果となり、より多くの従業員に組合に加入してもらうきっかけにもなりますので、合意事項の労働協約化に取り組みましょう。

チェックオフ協定やユニオンショップ協定の締結を目指しましょう

 組合として優先的に取り組む事項に、「チェックオフ協定」と「ユニオンショップ協定」の締結があります。
 チェックオフ協定とは、会社が組合員の給与から組合費を天引きし、組合費をまとめて組合の指定口座に振り込むための協定になります。
 ユニオンショップ協定は、会社が従業員を雇用する場合に雇われた従業員は必ず労働組合に加入しなくてはいけないとする協定です。
 この2つの協定を結ぶことは、組合の円滑な運営に必要ですので、会社に理解をもらえるよう粘り強く交渉していきましょう。