交通労連は2024年度の第1回中央委員会を1月22日に、東京「アートホテル日暮里ラングウッド」で開き、2024年度春季生活闘争方針を決定しました。
主催者を代表してあいさつに立った織田中央執行委員長は、能登半島地震および羽田空港での事故にお見舞いを述べたあと、世界では戦争・紛争が拡大している現状を踏まえ、食料・エネルギー問題に拍車をかける悪循環を懸念し、各国で選挙が重なる年でもあり、労連規約にもある世界平和を希求したいと述べました。
また、いわゆる2024年問題について、施行までに準備する・解決しておくべき課題であり、「問題」と称されることに違和感があるとしつつ、それでもなお社会のインフラとしての責務を果たすためには労働条件改善が必要で、そのための運賃・料金改定の推進を訴えました。
ライドシェア導入阻止の署名活動では55,000筆を超える協力に感謝を述べるとともに、労連が一丸となる強さを示すことにもなったと述べ、組織強化・拡大への協力を呼びかけました。
来賓の川合たかのり参議院議員(交通運輸政策研究会事務局長)は、改めて日頃からの支援に感謝を表したあと、能登半島地震への対応について報告され、被災地支援のためにも金沢など被害が少なかった観光地の支援を呼びかけました。
国民民主党は来る通常国会を「持続可能的賃上げ実現国会」と位置づけ、トリガー条項の凍結解除による燃油価格の安定や、適正運賃が収受できる適正取引の推進など、交通運輸産業の労使協議を後押しする政策を引き続き訴えていくことを表明しました。
また、ライドシェア解禁に関しては、移動困難者対策としては否定しないとしつつも、第二種免許の意義を再確認し、無限定な解禁は公共交通の破壊につながるとして、断固反対する考えを改めて強調しました。
2024年度春季生活闘争については、「『物価上昇』、『最低賃金の引き上げ』、そして『人への投資』の観点から『社会情勢を考慮した賃金水準の回復』を基本とし、『失われた3年間』を取り戻すため「安心して暮らせる生活のための実質的な年収の確保」をめざしていく」との闘争方針を決めるとともに、中央執行委員全員で構成する中央闘争委員会を発足させました。
次いで、役員の補充選出を行うとともに功労者の表彰を行い、2024春季生活闘争標語の最優秀賞とユニーク賞についても表彰しました。
翌23日の午前に開いた各部会中央委員会の冒頭、田村まみ参議院議員が駆け付け、それぞれの会場で順次、国政報告をいただきました。
◇第1回中央委員会の資料はこちら(組合員限定)
2024春季生活闘争 各部会の要求基準の概要
<賃金>
○トラック部会
現行所定内賃金6.5%以上
(定昇相当分【賃金カーブ維持分】1.5%【3,648円】、賃上げ分【格差是正及び物価上昇分】
5.0%以上【12,160円】、合計平均15,800円)
但し、単組、企業及び地域の実態を踏まえた要求を可能とする
○軌道・バス部会
定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)+α(社会情勢を考慮した水準)を要求
α=⑴ 物価上昇分=2023消費者物価2.5%予測
⑵ 地域最賃=全国平均で43円引き上げ、平均1,004円
⑶ 人への投資=働く者のモチベーションの向上、労働力確保2.45%(5,400円)
+α4.0%(8,800円)※各組合の実態に即した要求
○ハイヤー・タクシー部会
月例給に重きを置き5.00%程度の賃上げをめざす
① 定昇相当分(賃金カーブ維持分)として年収の0.33%
② 実質生活向上分・物価上昇分・格差是正分として年収の3.00%
○自動車学校・一般業種部会
賃金カーブ維持分(定期昇給見合い分)4,500円とベースアップ分(過年度物価上昇分3%程度)
を踏まえた12,000円
<臨時給>
○トラック部会
1人平均110万円中心
○軌道・バス部会
「年間臨時給として前年実績+αの確保」を要求する。具体的には目標を5.0ヵ月、
最低でも3.50ヵ月以上(前年実績3.39ヵ月)とする
また、金額で要求する場合は、前年実績以上を要求する
○ハイヤー・タクシー部会
臨時給制度がある場合、前年実績(年間)+年収の1.67%
制度が無い場合は①定昇相当分+②実質生活向上分・物価上昇分・格差是正分を併せて5.00%
○自動車学校・一般業種部会
6ヵ月(最低4ヵ月以上を獲得目標とし、前年実績がこれを上回る組合の獲得目標は前年実績
以上とする)