交通労連は2021年度の第1回中央委員会を1月19日に、東京都・中央区「ホテルマリナーズコート東京」を本部会場に各総支部の会場等をオンラインでつなぐリモート形式で開き、2021年度春季生活闘争方針を決定しました。
主催者を代表してあいさつに立った園田中央執行委員長は、日頃より労連運動の発展にご尽力いただいている組合員に対して感謝の意を述べたあと、「新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により、人々の命は脅かされ、仕事や暮らしが激変した一年だった。コロナ患者増加で一般の病気の患者を診られない状況になりかねず、日夜頑張っている医療従事者の皆様には敬意と感謝を申し上げたい。経済も大切であるが、人命の方が遥かに大事なのは言うまでもない。早急に体制の強化を望む。二度の緊急事態宣言によって、交通運輸産業はより厳しい状況となった。このような状況を打破していくため、交通労連として各方面に対し再三再四、要請を重ねてきているが、いずれにしてもこの危機を全組織が一丸となって乗り切っていかなければならない。
今年度は組織拡大と財政基盤の確立を最重点課題とし、改革を実践していきたい。そして、コロナ禍で大きく変化する社会に対応できる組織を構築しなければならない。そのためは、労連が抱える構造的な問題点を精査し改革・改変していくことが必要不可欠で、なお一層のご支援・ご協力をお願いしたい。また、今春闘は今までにない大変難しい交渉が想定される。部会によって差異はあると思うが、雇用の維持を大前提に全員でしっかりと闘っていこう」と訴えました。
2021年度春季生活闘争については、「『職場を守り雇用と生活を守る』ことを基本とし、例年同様に各業種別部会で賃金水準を示すが、最低でも実質的な年収の維持をめざす。併せて、総合的労働諸条件改善要求等についても幅広い交渉を推し進め、それぞれの組合の実情に応じて取り組む」との闘争方針を決めるとともに、中央執行委員全員で構成する中央闘争委員会を発足させました。
また、2021春季生活闘争標語の最優秀賞とユニーク賞を表彰しました。
2021春季生活闘争 各部会の要求基準の概要
<賃金>
○トラック部会
1人あたり平均10,800円中心(所定内賃金の4.5%の引上げ)
【定昇並びに賃金カーブ維持分1.5%(3,627円)+賃金改善分(格差是正分を含む)
3.0%(7,255円)】
○軌道・バス部会
定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)1.75%【3,700円】+α(生活維持分/各組合の
実態に即した要求)2.0%【4,300円】
最低目標は前年実績の確保
○ハイヤー・タクシー部会
定期昇給相当分(賃金カーブ維持分)として年収の1.0%、実質生活向上分・物価上昇分・
格差是正分として年収の2.33%
○自動車学校・一般業種部会
賃金カーブ維持分(定期昇給見合い分)4,500円と、生活向上・格差是正分4,500円を
踏まえた9,000円
<臨時給>
○トラック部会
1人平均100万円中心
○軌道・バス部会
「年間臨時給として前年実績の確保」を要求する
具体的には目標を5ヵ月、最低でも3ヵ月以上(前年実績3.33ヵ月)
金額で要求する場合は、前年実績以上
○ハイヤー・タクシー部会
臨時給制度がある場合、前年実績(年間)+年収の1.67%、
ない場合は、定期昇給相当分+実質生活向上分・物価上昇分・格差是正分を併せて5.0%
○自動車学校・一般業種部会
6ヵ月(最低4ヵ月以上を獲得目標とし、前年実績がこれを上回る組合の獲得目標は
前年実績以上とする)