交運労協からも国交省に要請しました

28万名超の署名を携えて

 交通労連も加盟する交運労協は9月27日、地域公共交通を維持するための制度や支援強化を求める石井啓一国土交通大臣宛の請願書を28万7,438筆の署名を添えて提出しました。

 岡山市で路線バスを運行する両備グループの路線と、ほぼ重複する経路に新規事業者が参入し、中国運輸局が認可したことに端を発しています。新規事業者の運賃は、両備グループの既存路線に比べて30~50%安く、収益が減少した場合、赤字路線の維持が困難になり、事業者の自助努力により黒字路線で赤字路線を維持する「内部補助方式」を否定することになります。

 交運労協の住野議長は「生活路線の確保、労働環境の悪化は否めない。さらなる支援をいただければと思っている」と主張しました。

 この問題に先行して取り組んだ交通労連では6月12日に同様の趣旨で請願しており、地域公共交通網の維持・発展に関わる問題として、交運労協の仲間にも取り組みを呼びかけたものです。

 この日の要請には、交通労連から山口委員長、両備バス労組の髙木委員長らが参加しました。

 (報道)FNNプライムオンライン

請願事項

  1. 今回の岡山市における新規参入の事例(以下、本件)は、道路運送法第30条第2項に定める、「一般旅客自動車運送事業者は、一般旅客自動車運送事業の健全な発達を阻害する結果を生じるような競争をしてはならない」という規定に反し、これに抵触すると言わざるを得ない。ついては、本件について、「一般乗合旅客自動車運送事業の運行計画の届出等の処理要領」の4項「クリームスキミングの要件について」及び5項「クリームスキミング的運行に係る運行計画の変更命令等について」を踏まえ再審査を行なわれたい。

  2. 道路運送法第30条第2項及び「一般乗合旅客自動車運送事業の運行計画の届出等の処理要領」 4項・5項は、認可及び判断基準が暖昧であるため、クリームスキミング的運行を是正させるためには十分とは言えない内容となっている。ついては、持続可能な地域公共交通の維持・存続に向けて、明確な認可及び判断基準を示した法改正等を行なわれたい。
     併せて、適正な原価を踏まえた乗合パスの運賃制度の導入を検討されたい。

  3. 「交遇政策基本法」が制定され、自治体主導で地域の交通関係事業者の連携のもと地域公共交通網形成計画を策定し、その実現に向けた取り組みが全国で行われているが、本件は「交通政策基本法」を蔑ろにしているものと言わざるを得ない。ついては、地域公共交通会議開催の義務化も含め、地域公共交通の維持・存続に向けた取り組みに対する支援をさらに強化されたい。


 交通労連の取り組みはこちらから

 ⇒「関連ニュース」に戻る