交通労連軌道・バス部会は2月16~17日の2日間の日程で、神奈川県・箱根湯本湯本「ホテルおかだ」において、全国から約50人が集い、第12回バスフォーラム全国交流会を開きました。
冒頭、主催者を代表して清水部会長があいさつに立ち、「現在のバス業界は乗合・貸切ともに徐々に回復傾向が見られる。しかしながら、昨年末はいろいろな事故や不祥事が多発した。残念ながら身内の事業者でもこうした事例が発生し、今後は二度と起きないよう労使ともに協力し、バス業界の信頼回復に努めていかなければならない。業界の具体的な情勢や取り組みについてはこの後の講義で詳細について説明するが、タクシーのライドシェアの問題や自動運転の課題については『対岸の火事』ではなく、われわれの業界にも何らかの影響がある問題であり、今後も動向を注視しながら対応を図っていきたい」と述べた後、「今回の交流会では、労連・部会の政策活動について学んでいただくとともに、参加組合の抱えている課題について意見交換を行い、部会の政策につなげていきたい」と集まった参加者に訴えました。
次いで、労連本部の縄野書記長、地元代表として開催地である関東地方総支部の栁澤委員長、伊藤書記長から歓迎のあいさつをいただいた後、講演に移りました。
10年前から言っている安全規制・参入規制見直しに行政がやっと着手
講演では鎌田事務局長がバス業界の現状を説明した後、現在進められている軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の取りまとめを踏まえた進捗状況について説明。とりわけ、またしても起きてしまったスキーツアーバス事故について触れ、「平成18年のあずみ野観光バスの事故、平成24年の関越自動車道での陸援隊の事故、そして今回と全く同じ傾向の事故であり、つまりは10年経っても何も変わっていない。全て低料金で強要する旅行業者、間に仲介旅行業者、そして安全を守れないバス事業者なのだ。部会としては10年も前から言っているが、やはり参入規制の見直し(一定期間参入禁止及び入り口規制の強化)と、悪質な旅行業者を排除するための旅行業法の見直し(勧告制度の導入)が必要だ。これらについて数年前から訴えてきていたが、ようやく制度が導入される。それはいいが、何故その時に制度を導入してくれなかったことには憤りを感じる。やはり、安全を守れない事業者をいかに監査し、出来なければ撤退させるなど、行政の強力な取り組みが必要だ。貸切バスの新運賃制度の導入で、稼働率は減少しているものの実働日車当たりの営業収入は回復してきており、今後の業界発展の足がかりに期待している。今後も意見を訴えていきたい」と述べました。
加盟組合からの多くの課題を部会政策要求に反映していく
休憩を挟んだ後、参加者から事前にいただいたアンケートの中から、運転者・ガイド・整備士不足、乗合バス事業(路線維持)関係、今後の貸切バスの問題等について意見交換を行い、これを受けて鎌田事務局長は、「ガイドレスの問題は貸切バスの運賃料金制度が導入されることで本来、活性化されなければならない部分。まだ制度の趣旨が浸透していない。本年12月から運行管理体制が強化され最低二名以上となること、4月からの行政処分の対象範囲の拡大、同じく事業許可の更新制度で悪質な貸切バス事業者は淘汰される。そうなれば運転者不足も多少は解消できるはずであり、今年1年の辛抱だと思う。他でも部会政策要求で既に行っているものもあるが、本日出された意見・要望について幹事会で協議を行い、政策に反映していきたい」と述べた後、最後に清水部会長が取りまとめを行い、盛会裏に終了した。
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