全日本トラック協会への政策要請終了後、国土交通省自動車局の藤井局長をはじめ各課代表も参加し、第四十五回物流政策懇談会が開かれました。
冒頭、全ト協の星野会長があいさつに立ち、「われわれの産業で最も深刻な課題はドライバー不足だ。解決するためには、長時間労働や取引環境の改善に取り組み、労働者の待遇を良くしていかなくてはいけない。現在、協議会が中央・地方で開催され、国交省や荷主、事業者が一体となってパイロット事業を行っている。懇談会においても、業界の発展に繋がるよう政労使三者で忌憚のない議論をお願いしたい」と述べました。
国交省自動車局の藤井局長は、「国会での議論では安全性の確保に併せて、労働力不足の対策やドライバーの処遇、取り巻く労働環境についての指摘が多い。協議会で長期的な視野でしっかり議論を行い、荷待ち時間の短縮など荷主にも理解をいただきながら、前に進めていく。一方でトラック業界としても正すものは正していくことも必要だ」と国政や協議会について触れた後、「本日、官邸で開催された未来投資会議では『自動運転』がテーマだった。特に物流で活用したいという意見が多く出たが、印象的な委員の意見では『自動運転の活用で一番大事なのは、交通事故を減らすことに繋げることだ』とあった。まったく同感だ。運転ミスによる事故の発生は依然多く、先進技術を取り込むことでドライバーの運転を支援し、輸送の安全性を向上させたい。これは、ドライバーの安全の確保にも繋がる」と述べました。
次いで、国交省の加藤貨物課長から産業の現状及び協議会で進めているパイロット事業、適正運賃・料金収受の検討会の進捗などについて報告が行われ、「協議会を通じて、ドライバー不足が続くと物流網を維持出来なくなることを荷主と共有し、荷主と事業者でどのような対策が取れるかを一緒になって考え、大きな流れを作りたい」と述べました。
続いて、意見交換に入り、交通労連トラック部会の貫事務局長から意見・要望を行い、「適正な料金・運賃の収受について、運賃の値上げ改定が行われてきたが、労働条件の改善に大きく反映できるまでに至っていない。このままでは、労働力不足に歯止めをかけることができない。独禁法の問題はあるが、適切な安全コストを含んだ目安となる運賃を提示して欲しい」と訴えました。
加藤貨物課長は「まさにその通りであり、適切な運賃を収受できる環境をつくるよう協議会で議論を重ねている。目安運賃についても、賛否を含む様々な声がある。しっかりと協議会の場で検討していきたい」と回答し、意見交換を終えました。
最後に、閉会あいさつで交通労連トラック部会の山口部会長が、「最重要課題について、政労使で真摯に議論が出来たことにお礼を申し上げたい」と述べ、成功裏に終了した。
物流政策懇談会で提出した意見・要望書は組合員限定ページの「トラック部会」(部会資料集)からダウンロード出来ます。
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