第3回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会について

 国土交通省は厚生労働省とともに第3回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会を2月19日に開催しました。

 協議会では、昨年9月14~20日に実施したトラック輸送状況の実態調査の結果が国土交通省から公表されました。

 調査結果では、「手待ち時間がある運行」は全体の46.0%で手待ち時間の平均は1時間45分で、地域別に見ると「関東」が一番長く、次いで「近畿」「中部」となっています。

 拘束時間については、短・中距離運行の平均の拘束時間は11時間台、長距離運行では16時間超となっており、輸送品類別で見ると「農水産品」が長くなっています。

 荷役作業に関する書面化の有無については、書面化しているのが58.2%、口頭で依頼しているのが32.3%となっており、事前に連絡がなく現場で荷役を依頼されるケースも9.5%ある。

 また、荷役作業の料金収受についても書面化している場合で28.8%、口頭で46.1%、連絡無しのケースでは80.5%が料金を収受できていない実態が報告されました。

 詳しい調査結果については組合員限定ページの「部会資料集(トラック部会)」をご確認ください。

 今後は、調査結果の内容を参考に各都道府県の地方協議会において対象集団(発・着荷主および運送事業者等で構成する集団)を選定し、パイロット事業(実証実験)を実施します。

 実施について、コンサルタント等の専門家の助言をもとに①荷主及び運送事業者の現状の分析や課題の洗い出し②課題に対する解決手段の検討③解決手段の実践④検証――などを経て、トラック運転者の長時間労働等の改善を図っていきます。

 パイロット事業は平成28年から2年間で約100事例を目標に実施していきます。

 運賃・料金についても議論がなされ、これまで認可制であったのが規制緩和で事前届出制となり、現在では事後届出制となったこと、また、参入が免許制から許可制へ緩和され事業者数が大幅に増加し競争が激化した状況が説明され、今後はこれまで「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」などで議論された内容を踏まえた上でどのような取り組みを行うべきか検討していくこととしました。

 また、運賃・料金についてはさまざまな考え方があり、協議会の下にワーキンググループ等を設け、議論を整理し協議会に提案するなどのやり方も検討していくことで座長に一任しました。

 なお、中央協議会には交通労連から山口中央執行委員長が委員として参加し、調査結果を掘り下げた分析の必要性やバスやタクシーなどの運賃制度を参考にしていくことなどを提案・質問を行いました。

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