取り組み事例に感嘆の声

特徴的な取り組みで安全を確保

課題解決のヒントになればと熱心に意見交換を行った
課題解決のヒントになればと熱心に意見交換を行った

 労連の第14回整備士全国交流会を5月20日~22日の両日、静岡県浜松市「ホテルクラウンパレス浜松」で開きました。

 今回の交流会では、「人材の確保・育成と社内連携の強化」をテーマに取り組み事例の説明および意見交換、視察を行いました。

 意見交換に先立ち、日本梱包運輸倉庫㈱鈴鹿整備工場の大川工場長から、同整備工場や全車両の管理を担当する本社自動車部の取り組みについて、写真を投影しながら詳細な説明を受けました。
 キャリアカーを多数保有する同社の特徴的な取り組みとして

  • 防錆対策では、ボディー全塗装を二年毎に本社の管理で実施し、樹脂系の塗料を一部で試行している
  • 油圧漏れ対策・管理では、キャリアカー一台で四十本以上になるホースについて色分けして管理を徹底し、定期交換しているほか、スプリング状のカバーで挟み込み箇所を特定しやすくしている
  • 電気配線の腐食対策・管理では、ヒートシュリンクチューブによる完全防水対策、浜名ワークスに要望して架装上部を配線する設計とし塩害を防いでいる
  • タイヤ管理では空気圧センサーを車載しているほか、管理を容易にするためスペアタイヤに製造記号をペイントする工夫をしている
  • 月別重点項目を設定しているだけでなく、事故防止会議等での周知などドライバーとの連携にも努めている

 ――ことなど、さまざまな工夫で積載する商品である完成車を油圧漏れの被害から守り、路上故障の防止をはかっていることの説明を受けました。

 また、前回の交流会で話題となった融雪剤の影響をほとんど受けないボルボ車について、十年近い車齢にも関わらずほとんど錆の発生が見られない写真を目の当たりにし、参加者からは感嘆の声が上がった。
 加えて、規制緩和を活用した全長二十一メートルの環境対策型ウィングフルトレーラーの導入についてもご紹介いただいた。

 引き続き、自校・一般部会の江尻幹事(常交整備労組)が座長を務める意見交換では

  • 求人と採用の状況
  • 資格取得の助成を中心とした定着促進の取り組み
  • ドライバー職との連携
  • 予防整備
  • 防錆・腐食対策

 ――などについて、事前ヒアリングの結果を活用しながら取り組み事例を紹介するなど、・活発な意見交換 を行いました。

充実した視察となり参加者は満足

 翌日は、トラック架装メーカーである㈱浜名ワークスの視察を行い

  • 完全受注生産方式で、部品外注化率を90%に高めて設計と組み立てに資源を集中し競争力を高めている
  • 各職場からの改善提案運動に取り組み、4年で3億円を超える効率化をはかって休日増と賞与で還元してきた
  • 環境認証のISO14001に加えて労働安全衛生のOHSAS18001も取得しており採用にもプラスの効果がある
  • 管理職にメンタルヘルスマネジメン ト検定を取得させる取り組みを順次進めており係長以上の半数がすでに資格を取得している
  • ハイブリッド・トレーラーや、転落防止のための設計変更、新型車 から順次義務化される横転防止装置の性能試験など、新製品の開発にも力を入れている

 ――ことなどの説明を伺い、大変有意義な視察となった。

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