【トラック部会報告】労働時間の改善へ

中央・地方で協議会を設置

 「労働基準法等の一部改正案」の閣議決定を受け、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」が設置されることとなった。
 労基法の一部改正に伴い、長時間労働を抑制するため、現在適用が猶予されている月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率の増加(50%)を中小企業にも適用することとなる。
 しかし、即時に適用されれば事業者の負担増となることから、法施行後3年間、全ての中小企業への適用を猶予し、その間に長時間労働の抑制を実現するため、具体的な環境整備を図る予定になっている。

 トラック運送事業においては総労働時間が長く、月60時間以上の時間外労働も常態化しており、ドライバーへの負担も大きい。脳・心臓疾患等の労災や、過労死認定件数が業種別で最も多い状況だ。
 また、荷主都合による手待ち時間などが長時間労働の要因の1つとなっており、事業者のみの努力で改善することは困難な状況にある。

 このため、国全体として、労働時間短縮に向けた諸対策の推進が必要であるとの考えのもと、中央ならびに各都道府県に、国土交通省、厚生労働省、荷主、事業者、労働組合などで構成される協議会を設置し、実態調査・パイロット事業・長時間労働改善ガイドラインの策定等を行い、割増賃金率増加の適用までに長時間労働を抑制するとともに、その後の定着を図ることとしている。

 中央の協議会の構成については、既存の「トラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議」の委員構成を基本としていることから、交通労連からも山口中央執行委員長が委員として選出されている。
 4月中旬以降に中央で協議会が立ち上げられ順次、地方でも立ち上げ、割増賃金引上げの施行予定である平成31年4月まで、4半期から半年に1回程度開催される予定である。

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