国土交通省では「平成22年度乗合バス事業の収支状況」について発表しました。(調査対象事業者は、保有車両数30両以上の254者)
依然として厳しい収支状況となっており、輸送人員の減少による運賃収入の減少、燃料高騰などのコスト増加などを人件費圧縮で対応するなど労働者には厳しい状況が続いています。
交通労連としては、バス事業の安心・安全を確保する上で人材の重要性を訴え、労働条件の維持・向上を目指していきます。
以下、国土交通省ホームページより抜粋
【全事業者】
(1)収 入
輸送人員は引き続き減少傾向であり、前年度と比較して0.6%の減少、収入も前年度と比較して0.5%の減少。
(2)支 出
軽油価格は上昇したものの人件費の抑制等により、前年度と比較して1.3%の減少、燃料油脂費の原価に占める割合は前年度の7.4%から8.3%に増加。
(3)経常収支率
前年度から0.7ポイント上がり93.4%。
1.事業主体別の収支状況等について
民営バス・公営バスともに経常収支率は、支出の減少が収入の減少よりも大きく、前年度に比べ上昇。
(1)民営バス
- 収入については、輸送人員が対前年度比0.3%のわずかな減少となり、収入も対前年度比0.7%の減少となった。
- 支出については、燃料油脂費が対前年度比12.3%の増加となったが、原価の56.9%を占める人件費が対前年度比1.3%の減少となり、支出全体では対前年度比0.9%の減少となった。
- 経常収支率は、人件費の抑制等により、前年度より0.2ポイント増加して95.3%となった。
(2)公営バス
- 収入については、輸送人員が対前年度比1.5%の減少となったが、収入は対前年度比0.1%のわずかな増加となった。
- 支出については、燃料油脂費が対前年度比9.0%の増加となったが、原価の57.7%を占める人件費が対前年度比3.6%の減少となり、支出全体では対前年度比2.3%の減少となった。
- 経常収支率は、人件費の抑制等により、前年度より2.2ポイント増加して87.5%となった。
2.大都市部※ とその他地域について
大都市部の経常収支率は、黒字事業者の数が増加したこともあり、前年度に比べ上昇。
その他地域の経常収支率は、収入の減少が支出の減少よりも大きく、前年度に比べ下降。
(1)大都市部
- 収入については、輸送人員が対前年度比0.5%の減少となり、収入も対前年度比0.2%のわずかな減少となった。
- 支出については、燃料油脂費が対前年度比12.2%の増加となったが、原価の56.5%を占める人件費が対前年度比2.1%の減少となり、支出全体では対前年度比1.9%の減少となった。
- 経常収支率は、人件費の抑制等により、前年度より1.6ポイント増加して97.6%となった。
(2)その他地域
- 収入については、輸送人員が対前年度比0.9%の減少となり、収入も対前年度比1.0%の減少となった。
- 支出については、燃料油脂費が対前年度比11.2%の増加となったが、原価の57.9%を占める人件費が対前年度比1.6%の減少となり、支出全体では対前年度比0.4%のわずかな減少となった。
- 経常収支率は、平成9年度の88.1%以降ほぼ横ばいの状況が続いており、前年度より0.5ポイント減少して87.7%となった。
詳しい内容は国土交通省「平成22年度乗合バス事業の収支状況について」をご確認ください。
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