厚生労働省が「平成22年度個別労働紛争解決制度施行状況」について発表しましたので、ご案内します。
労働環境の多様化により個々の労働者と使用者との紛争は増加しており、その紛争の解決手段として、多額の費用と時間がかかる裁判制度以外に平成13年に「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」が施行されました。
この法律の施行により、次の制度が用意され、都道府県労働局などで無料の個別労働紛争の解決援助サービスを提供しています。
- 総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談
- 都道府県労働局長による助言・指導
- 紛争調整委員会によるあっせん
厚生労働省の発表では、平成22年度に寄せられた「相談件数」は
- 総合労働相談件数 1,130,234 件
- 民事上の個別労働紛争相談件数 246,907 件
であり、前年度と比べて、総合労働相談件数は10,772件(前年度比0.9%減)減少し、民事上の個別労働紛争相談件数は395 件(同0.2%減)と微減しており、過去最高を記録した前年度と比較し、平成22年度は同水準で高止まりしています。
また、「相談内容」は“いじめ・嫌がらせ”など多様化しており、“解雇”に関する相談が大幅に減少しているなど変化が見られます。
同制度は裁判制度と比較して、特筆すべき点は紛争解決までの期間であり、相談の97.6%が1カ月以内(あっせんは2ヵ月以内)に解決しています。
法律施行から今年で10年の節目をむかえ、個別労働紛争解決制度が同じく平成18年に施行された労働審判制度とともに個別労働紛争の解決に大きな役割をはたしていくことは間違いありません。
詳しい内容は厚生労働省ホームページをご確認ください。
⇒「交通労連ニュース」へ戻る